まつさん(B2)に書いていただいたレポートです。
別記事でも紹介しています。
https://titechrissikai.wixsite.com/home/blank/第2回立志会開催しました
東工大立志会は、さまざまな分野の最先端で活躍する東工大生を集めて新しいものをうみだそうと、学部1年生の清原さんが発起人となり今年始まった試みである。光栄にも第2回に参加した感想の寄稿を依頼されたので、拙い文章で立志会の感想を述べさせていただきつつ、読者の皆さんにその魅力とこれからの展望についてお話しできたらと思う。
初めて立志会に参加する前、「大きな展望をもつ東工大生と会えるかもしれない」と楽観した一方で、「非常に志高い(高潔な)学生が大半だったら」などと少々不安にもなった。しかし、会場に行ってみるとその期待はいい意味で裏切られた。
立志会は一人の学生によるプレゼンテーションと参加者全体でのグループワークの2つから成る。グループワークでは、互いの意見を頭から否定せず、建設的な議論にしようという姿勢がうかがえた。知識量や説得力に自信がない私にはこれ程にない環境である。話の途中で詰まっても、誰かが助けてくれると安心できたからである。小一時間では語りつくされることのない話題ばかり出たので、また参加したいと希望した。立志会にはこうした「リピーター」は少なからずいる。
第2回の会場も初回と同じ、大岡山キャンパスでは高層の西9号館7階の一室である。部屋は20-30人入れば窮屈に感じるくらいで、軽い話し合いをするにはちょうどいい頃合である。早めに到着した私に話しかけて下さったのは今回のプレゼンター、海上元輝さん。「前回もいらっしゃいましたよね?」と気さくに話しかけられ、私は早くも最古参(今回を含め2回だが)の者だけが得られる優越感に浸っていた。次に私が目にしたのは、彼のプレゼン前にイメージトレーニングをする姿や、参加者に語り掛けこれから始まる発表に引き込もうとする姿勢であった。それは、多くの時間を割き準備し努力して作り上げた「作品」を今まさにお披露目しようとする、本気になった東工大生の姿だった。
発起人の清原さんが雄弁に語り始め参加者に第2回東工大立志会の開始を告げる。そして元輝さんによる発表はついに始まった。冒頭で元輝さんは、現在の姿からは想像もつかないコンプレックスを抱えていた過去を告白する。文化部出身者が運動部に対して抱くコンプレックスをボート部に入ることで解決した後、新たに「彼女がいない」コプレックスに苛まれる。大学生らしい悩みと言えるが、こうした満たされることのない劣等感を埋めようとして病み、他者への協調生を失った過去を持つと言う。原因は周囲との差異を受け入れられず劣等感にとらわれてしまったことだと語る。しかし、自分を許し受け入れることで状況を好転させた。想像していた発表者像とは多少違ったかもしれない。しかし失敗談を語ることがかえって感動を呼び、私自身勇気付けられてならなかった。自分を愛することで満たさせることのない劣等感から解放されよう、それが最も印象に残るメッセージである。
そして、魅力的なプレゼンの後で始まるのが、自由奔放ともいえる議論である。ここでは誰もが議論の中心となれる。筆者の個人的な興味でもある「孤独」とは何か。最近「孤独になる力が欠けている」と指摘されたためほかの参加者に問うてみた。どんな議論になったかはまたの機会にしたいが、大変面白い議論が出来たことは、一度参加したことがある学生なら容易に予想できるはずである。
こうかくと非常に堅苦しい雰囲気の中でギーク(Geek)たちが話し合っているだけのよに見えるかもしれない。確かに、あの場に集まった「面白い東工大生」の多くが優秀である印象はあったし、志高い学生が集まってこその「立志会」だとも言えなくはない。しかし雑談を大切にする遊び心と真剣な議論をする心意気とが密に共存する、創造的な空間が立志会では作られるのである。そうでなければ、1年生がトップで運営する会にもう一度出席しようという者はそう多くないはずである。また、自分が疑問に思っている物事への興味をアクティブラーニングの場で共有し楽しもうとする者であれば、学年学科問わず誰でも歓迎されるということも忘れてはならない。
逆に「他の学生のプレゼンを聞くだけの脇役に甘んじるつもりはない」という方はいませんか。そんな方は、ぜひ次回以降のプレゼンター候補として運営まで足を運んでください。文字通り立志会は学生主体のアカデミックな団体であって、これからの立志会を作るのは現役の東工大生です。立志会の参加をきっかけとして、新プロジェクト第1号を始動させるのは自分たちかもしれない、と考えると心躍りませんか?
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